

かつて
「六賢神」と呼ばれた神々が削り出した星「Ster;Sollyrea」。
その空に浮かぶ王国、「空中浮遊王国 Sollyrea」には
「Sollyrea族」と呼ばれる、魔法に長けた種族が暮らしていた。
長きにわたり、この国は王族の二頭体制によって治められており、
現代では国王兼最高司祭「デルワイア」と、その妻で王妃兼最高司祭「フィリージア」が君臨していた。
Sollyrea族の王族は代々、「最もこの星の中心に近い存在」と畏れられ、
人々から深く敬愛されていた。
そんな彼らの元には一人の幼い王子がいた。
その名は「アカゼルア」。
彼は両親からも、民からも愛されて育った。
だが、穏やかな時が流れていたある日、
王国に一人の恐ろしい存在が現れる。
王国を襲ったのは、「オキザス」と呼ばれる神の一柱。
だが神として未熟な彼女はデルワイアの圧倒的な力を前に敗れ、
そのまま逃走した。
「彼女を放っておけば、多くの民たちが犠牲となる。」
そう悟ったデルワイアは逃げ去ったオキザスを追った。
しかし、彼は二度と国へ帰ることはなかった。
王を失い、民は悲しみに沈んだ。
フィリージアと民たちは彼を探し続けたが、
ついにその行方が知れることはなかった。
やがて、絶望と悲壮に包まれた王国へ、
再びオキザスが姿を現した。
彼女は美しい国を、悲しみの中でも前へ歩まんとする人々たちを、
容赦なく焼き尽くした。
燃え盛る王城の中で、
フィリージアは幼い王子アカゼルアを抱き、必死に走り続けた。
自身を助けるため倒れ伏した兵士たち、救えなかった人々の想いすべてを背負って。
だが、彼女の背にはすでにオキザスの手が迫っていた。
「時間がない。このままでは、この子も・・・。」
そう確信した彼女は、愛する幻獣「ヴィーガ」を呼び寄せ、その背に愛しき王子を託した。
ヴィーガは空へと舞い上がり、泣き叫ぶ愛子の声とともに、その姿は遥か彼方へと消えていった。
愛する我が子たちを見送った彼女はそのまま炎の渦の中へと消えていった。
「どうか、この子を。魔の手が届かぬところへ。」
それが、王妃フィリージアの最後の願いだった。
彼女との最期の約束を胸にヴィーガは羽ばたき続けた。
どれほどの時が流れただろう。振り返れば、王国はどこにもなく、
あの恐ろしい存在の影もなかった。
やがて、暗く深い森の先に、一つの村が見えてくる。
「あそこなら、きっとこの子は・・・。」
ヴィーガは村に優しく灯る明かりを目指し、羽ばたいた。
しかし、突如森からヴィーガたち目掛けて攻撃が降り注いだ。
暗く深い森へと堕ち行くヴィーガたち。
その森は、誰もが恐れ、近づくことを許されぬ「魔の森」。
血の匂いに惹かれたアニマーズたちが、闇の中で牙を剥いていた。
もはや逃げ場はない。
ヴィーガは覚悟を決め、王子の盾とならんとアニマーズたちの群れの中へと飛び込む。
激痛に身体を裂かれながらも、それでもなお、幻獣は王子を守り続けた。
どうか、この身が朽ち果てる前に。
誰かが、この声に応えてくれますようにと願って。